乾癬
乾癬治療について
乾癬(かんせん)は、皮膚に赤く盛り上がった発疹が現れる慢性皮膚疾患です。発疹は銀白色の鱗屑(うろこじょうの皮)が覆っていることが多く、痒みや痛みを伴うこともあります。乾癬は自己免疫疾患の一種であり、皮膚の細胞が過剰に増殖することによって発症します。一般的には、頭皮、膝、肘、背中などに症状が現れますが、全身どこにでも発症する可能性があります。乾癬は完全に治癒することは難しいですが、適切な治療により症状をコントロールすることが可能です。
CONSULTATION
このような場合はご相談ください
- 長期間にわたる皮膚の赤みや発疹が続く場合
- 痒みや痛みを伴う皮膚の異常がある場合
- 頭皮に大量のフケが発生する場合
- 関節の痛みや腫れが乾癬と関連していると思われる場合
- 日常生活に支障をきたすほどの皮膚症状がある場合
乾癬の症状
症状①:尋常性乾癬
尋常性乾癬は最も一般的な乾癬のタイプであり、皮膚に赤く盛り上がった発疹が現れ、その上に銀白色の鱗屑が覆います。肘、膝、頭部などに多く皮疹を認めます。
症状②:滴状乾癬
滴状乾癬は、小さな赤い点状の発疹が全身に散在します。風邪や咽頭感染後をきっかけに発症することがあります。まれに何度も繰り返し、尋常性乾癬に移行することもあります。
症状③:膿疱性乾癬
膿疱性乾癬は、皮膚に膿疱が現れるタイプで、全身に広がることもあります。高熱や全身の倦怠感を伴うことが多いです。
症状④:関節症性乾癬
関節症性乾癬は、関節に痛みや腫れを引き起こし、進行すると関節の変形を伴うことがあります。手足指先の関節に腫れ変形痛みがあらわれ、ときには背中や首にこわばり、アキレス腱や足の裏に痛みが出たりすることもあります。
乾癬の原因
原因①:遺伝的要因
乾癬は遺伝的な要因が関与していることが多く、家族に乾癬患者がいる場合、発症リスクが高くなります。
原因②:免疫系の異常
乾癬は自己免疫疾患であり、免疫系が誤って皮膚細胞を攻撃することによって引き起こされます。このため、皮膚の細胞が過剰に増殖します。
原因③:環境要因
乾癬は環境要因、例えばストレス、感染症などによっても影響を受けることがあります。
原因④:薬物
一部の薬物(例:リチウム、ベータ遮断薬、抗マラリア薬など)が乾癬を誘発または悪化させることがあります。
原因⑤:ライフスタイル
糖尿病や高血圧症、脂質異常症などの生活習慣病が合併しやすいと言われています。喫煙やアルコールの過剰摂取も乾癬のリスクを高める要因とされています。
日常の注意点
注意点①:スキンケア
乾癬の患者は皮膚を保湿することが重要です。保湿剤を使用し、皮膚の乾燥を防ぎましょう。
注意点②:ストレス管理
ストレスは乾癬の症状を悪化させることがあります。リラクゼーション法や適度な運動でストレスを管理しましょう。
注意点③:食生活
バランスの取れた食事を心がけ、過剰なアルコール摂取を控えましょう。特定の食品が症状を悪化させることがあるため、注意が必要です。
注意点④:適度な運動
運動はストレスを軽減し、全体的な健康を向上させるために重要です。ただし、皮膚に摩擦を起こさないような運動を選びましょう。
注意点⑤:禁煙
喫煙は乾癬のリスクを高め、症状を悪化させるため、禁煙を心がけましょう。
乾癬の治療方法
治療方法①:外用薬
乾癬の治療には、ステロイド、ビタミンD3などの外用薬が一般的に使用されます。これらは症状を軽減し、炎症を抑えます。
治療方法②:光線療法
光線療法は、紫外線を使用して皮膚の症状を改善する方法です。当院ではナローバンドUBV (JTRAC) エキシマライト治療器(セラビームUV308miniLED)を導入しています。
治療方法③:内服薬
乾癬で軽症の場合には外用薬での治療を行っていきますが、局所療法で十分な治療効果が見られない場合には、角化治療薬やアプレミラスト(オテズラ)などの内服薬による治療を行います。
よくあるご質問
Q: 乾癬は治りますか?
A: 乾癬は完全に治癒することは難しいですが、適切な治療により症状をコントロールすることが可能です。
Q: 乾癬は感染しますか?
A: 乾癬は感染症ではないため、人から人へ感染することはありません。
Q: 食事が乾癬に影響しますか?
A: バランスの取れた食事は乾癬の管理に役立ちます。特定の食品が症状を悪化させることがあるため、個人によって異なる影響があります。
Q: ストレスは乾癬を悪化させますか?
A: はい、ストレスは乾癬の症状を悪化させることがあります。ストレス管理は重要です。
Q: 乾癬患者はどのようなスキンケアをすべきですか?
A: 乾癬患者は保湿剤を使用し、皮膚を保湿することが重要です。刺激の少ないスキンケア製品を選びましょう。
Q: 乾癬の症状が悪化した場合、どのように対処すべきですか?
A: 症状が悪化した場合は、早めに皮膚科専門医に相談し、適切な治療を受けることが重要です。