脱毛症
脱毛症とは、髪の毛が異常に抜け落ちる状態を指します。一般的には頭皮に発生しますが、体の他の部分にも影響を与えることがあります。脱毛症には、円形脱毛症、男性型脱毛症、女性型脱毛症、全身性脱毛症などさまざまな種類が存在します。脱毛症の原因や症状は多岐にわたり、個々の患者様に応じた適切な治療が必要です。
CONSULTATION
このような場合はご相談ください
- 髪の毛が異常に抜ける
- 円形状の脱毛が見られる
- 髪のボリュームが減少していると感じる
- 髪の成長が遅い、または停止している
- 頭皮にかゆみや痛みを感じる
脱毛症の種類
症状①:円形脱毛症
円形脱毛症は、突然発生する円形または楕円形の脱毛斑が特徴です。一般的に、頭皮に発生しますが、眉毛や髭、体毛にも影響を与えることがあります。脱毛斑は痛みやかゆみがないことが多く、中心部分は滑らかで、周囲の髪の毛は健康に見えることが多いです。
症状②:休止期脱毛症
休止期脱毛症は、髪の成長サイクルの休止期に入った毛が抜ける状態です。出産後や大きなストレスを経験した後に多く見られます。頭髪全体が均等に薄くなることが特徴で、部分的な脱毛は見られません。
症状③:瘢痕性脱毛症
瘢痕性脱毛症は、毛根にダメージを与える病気、細菌や真菌の感染症や外傷が原因で発生します。頭皮に瘢痕が形成され、その部分の毛は永久に再生しません。症状は、炎症や痛みを伴うことがあり、早期の治療が重要です。
症状④:先天性縮毛・乏毛症
先天性縮毛・乏毛症は、遺伝的な要因により髪の毛が細く、短く、乏しい状態で生まれることを指します。症状は生涯を通じて持続し、通常は治療が難しいです。髪の毛が非常に脆く、切れやすいことが特徴です。
症状⑤:トリコチロマニア
トリコチロマニアは、自分の髪の毛を無意識に引き抜く行動が原因で発生する脱毛症です。この行動は、ストレスや不安に対する自己防衛反応として現れることが多いです。頭皮の特定の部位に脱毛斑が見られ、治療には行動療法が有効です。
脱毛症の原因
原因①:免疫系の不調
円形脱毛症は自己免疫疾患と考えれており、他の自己免疫疾患の甲状腺疾患、尋常性白斑、全身性エリテマトーデスなどが合併することが知られています。またアトピー性皮膚炎との合併も知られています。
原因②:ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスの乱れは、脱毛症の主要な原因の一つです。特に女性では、妊娠や出産、更年期などのライフイベントが影響を与えることがあります。
原因③:ストレス
精神的なストレスは、脱毛症の発症に大きな影響を与えます。ストレスが引き金となり、円形脱毛症などが発生することがあります。
原因④:栄養不足
栄養不足も脱毛の原因となります。特に鉄分やビタミンD、亜鉛などが不足すると、髪の健康に悪影響を及ぼすことがあります。
原因⑤:自己免疫疾患
自己免疫疾患は、体の免疫システムが自己の毛根を攻撃することにより、脱毛症を引き起こすことがあります。全身性脱毛症はこのカテゴリーに該当します。
日常生活における注意点
注意点①:健康的な食生活
栄養バランスの取れた食事を心がけることが、髪の健康を維持するために重要です。特に、鉄分やビタミンD、亜鉛などを意識的に摂取しましょう。
注意点②:ストレス管理
ストレスは脱毛症の大きな原因となるため、適切なストレス管理が必要です。リラックスする時間を持ち、趣味や運動などでストレスを発散しましょう。
注意点③:適切なヘアケア
髪の毛や頭皮に負担をかけないよう、適切なヘアケアを心がけましょう。強いシャンプーや過度なドライヤーの使用は避けるようにしましょう。
注意点④:定期的な医師の診察
脱毛症の症状が見られる場合は、定期的に皮膚科専門医の診察を受けることが重要です。早期発見・早期治療が効果的です。
注意点⑤:適度な運動
適度な運動は血行を良くし、頭皮の健康を促進します。毎日のウォーキングや軽いジョギングなどを取り入れましょう。
円形脱毛症の治療方法
外用薬治療
円形脱毛症にはステロイド外用、塩化カルプトニウムなどの外用薬は、炎症を抑え髪の成長を促進する効果があります。頭皮に直接塗布することで、効果を発揮します。
注射療法
自己免疫疾患による円形脱毛症には、ステロイド注射が有効です。定期的な注射により、髪の再生が期待できます。
光線療法
円形脱毛症には紫外線を使用して皮膚の炎症を抑える治療法です。当院ではナローバンドUBV (JTRAC) エキシマライト治療器(セラビームUV308miniLED)を導入しています。
内服薬治療(免疫抑制剤オルミエント リットフーロ)
発症から6か月以上経過している円形脱毛症で、脱毛面積が被髪頭部全体の50%以上の人は適応になります。
休止期脱毛症の治療
外用薬による治療
外用薬治療(塩化カルプトニウム)や髪に必要な栄養(パントガール)を補給することで脱毛の改善を促す。
瘢痕性脱毛症
自毛植毛
頭皮の炎症を起こしている感染症などを早めに治療することが大切です。瘢痕性脱毛症への対処としては自毛植毛治療か、周囲の毛で覆い隠す等の対処となります。
よくあるご質問
Q: 脱毛症の治療にはどのくらいの期間がかかりますか?
A: 脱毛症の治療期間は、症状の重さや治療方法によりますが、通常数ヶ月から1年以上かかることがあります。定期的な医師の診察と治療が重要です。
Q: 内服薬の副作用はありますか?
A: 内服薬には副作用がある場合があります。具体的な副作用や注意点については、処方された医師にご相談ください。
Q: ストレスが原因で脱毛症になった場合、どのように対処すれば良いですか?
A: ストレス管理が重要です。リラクゼーション法やカウンセリング、適度な運動などでストレスを軽減することが推奨されます。
Q: 食事で脱毛症を改善できますか?
A: 栄養バランスの取れた食事は、髪の健康に重要です。特に鉄分やビタミンD、亜鉛を含む食品を積極的に摂取することが推奨されます。